夫の身の毛だけよだつ話

よくある夫婦の会話

「来世も私と結婚したい?」

「・・・はい」

 

間があった

間違いなく間があった

「・・・」があった

 

ピンときた

「なるほど、そういうことか」

 

夫の趣味は走ること

少しでも早く走れるように

納得のいく走りができるように

日々、努力をしている

 

趣味だと思っていた

素敵な趣味だと思っていた

「来世も私と結婚したい?」

「・・・はい」

この時までは

 

夫が走る理由

それは、来世で、

私から逃げるため

完全に逃げきるため

 

夫が走る理由

分かってしまった

完全に分かってしまったけれど

私は優しいから、あなたの魂胆、気付かないふりしてあげる

 

気づいてるかな

私があなたの胃袋をがっつり掴んでいること

 

これからも、

どんどん走りなさい

そして、

どんどんお腹を空かせなさい

 

お腹が空いたら、

私のところに戻ってくるの

自らね

 

あなたは私から離れられない

あなたは私から逃げられない

そういう運命